Author: Mutsumi

  • Androidアプリを作成してから公開までに最低限必要な作業

    こちらの記事でiOSアプリのリリースのざっくりとした流れを確認したので、今回は2025年1月時点でのAndroidアプリのリリース手順を見ていきたいと思います。 結論から言うと、iOSのリリース時に作成したアイコンやストアに公開する用のキャプチャなどを使いまわせた関係で、1時間で申請まで終わりました。 事前準備 事前にこれらの設定を済ましてある前提。 設定ファイルの準備 iOSの時と同様。app.jsonを編集する Expoの設定 iOSの時と同様。eas.jsonがなければ作成し、編集する アイコンの作成 iOSの時と同様。使いまわすときはサイズが違うので注意。1 MB 以下、512 x 512という要件がある(iOSは1024 x 1024) キーストアの生成 iOSでもやったアプリの署名に必要な基本的な認証情報の設定をAndroidではキーストアと言ったりします。例によってめんどくさいんですが、Expoを使うと簡単です。以下のコマンドを打って、選択肢から適当なものを選んでいくだけで完了します eas credentials 本番リリースであればproductionを選択し、最初のビルドなのでKeystoreを選択して新規作成するような選択肢をターミナル上で選んでいきます。 アプリのビルド eas build –platform android このコマンドでExpoのサイト上でビルドをしてアプリのファイルを生成してくれます。初回だったからか10分弱かかりました。 iOSではここからさらにストアへの提出がコマンド一発でできました。Androidの場合は事前の設定が煩雑そうなので、ビルド後のファイルをExpoの管理画面からダウンロードし、それを手動でアップロードすることにしています。 Google Play Consoleで新規アプリ作成 iOS同様、一番時間が取られるところです。Androidの方が、提供する情報が多い気がします。広告のありなしや、ニュース関係のアプリなのかどうか、個人情報を収集するか否かなどの質問に答える必要があります。今回サンプルで作成したアプリは、特に問題のあるような中身はないので、サクサク進められました。 プライバシーポリシーのリンクを設定しなきゃいけない箇所があったので、そこは個人開発の場合は用意するのが面倒だなと思いました。あと手こずりそうなのが、Androidの場合、アイコンやアプリの操作画面のキャプチャとは別で「フィーチャー グラフィック」というものを提出しなければなりません。 PlayStore内での広告・宣伝に使うような横長の画像で「15 MB 以下、1,024 x 500 ピクセル」という要件が決められています。しょうがないので適当に作ります。 さらに、「7 インチ タブレット版のスクリーンショット」、「10 インチ タブレット版のスクリーンショット」もアップロード必須のようです。しかし、スマホ用にアップロードしたサイズの画像をそのまま使いまわせるので、特に準備は不要です。 アプリの提出 質問への回答と画像の提出があらかた終わると、アプリのアップロードができます。Expoのサイトからダウンロードした.aab形式のファイルをアップロードします。 最後に審査に提出して完了です。 審査 これを書いている現在も審査中のステータスなので、審査が完了したら、追記をしたいと思います。 結論 ReactNativeとExpoを活用したケースですが、複雑なアプリでなければ、1時間程度でアプリの申請ができることがわかりました。 しばらくはExpoに頼ってスマホアプリ開発していきます。

  • 地図が読めない

    地図が読めない 駅を出てから打合せ先である目的地までの経路を調べようと、スマートフォンを取り出す。住所を見ても頭の中でイメージが描けないので、いつものようにGoogleマップにペーストする。移動にどれくらい時間がかかるのか、自分の頭では予測ができない。正直なところ、これは上京して東京に住む前からだ。中学・高校の頃、年に一回東京に遊びに来ていた。その頃はスマートフォンもGoogleマップも、さらに言えばGoogleもなかったので、ガラケーの地図サイトを手に、自分の位置を確認しながらしか動けなかった。上京して大学の寮がある大泉学園から国分寺までの駅の乗り換えは毎回Googleが最上位に示す結果に盲目的に従っていた。 テクノロジーと失われる能力 この「地図が読めない」という話は、私個人の話ではあるが、現代人の置かれた状況を象徴していると思う。GPSのおかげで方向感覚が衰えるように、便利なテクノロジーは静かに私たちの能力を奪っていく。例えば今朝、冷蔵庫に牛乳がないことに気づき、ホワイトボードに牛乳と書こうとしたところ、「牛乳」の「乳」という漢字が書けなくなっていることに気づいた。日本語IMEの予測変換が、私たちの手書き能力を少しずつ奪っている。 AI への依存 最近は、疑問が湧くとすぐにChatGPTやClaudeに聞いてしまう。課金しているのだから使わないと損、という気持ちもある。長い文章に出会えば要約ツールを使い、データ分析はAIに任せ、文章を書く時も AI の助けを借りる。こうして、考えているようで深く考える機会そのものが減っていることに気づかされる。気づけば、モチベーションすら奪われているように感じる。新しい言語を学ぶ意欲は失せ、英語も「今ある能力をどうAIで補完するか」に関心が移ってしまった。どこかで、このままではいけないという思いが胸をよぎる。 人間らしさの喪失 ふと思う。この流れの先にあるのは、目の前で大切な人が悲しんでいる時に、「こんな時どう声をかけるべきか?」とAIに尋ねる未来かもしれない。「それの何が悪いの?」と問われれば、確かに悪いとも言い切れない。自分の頭で絞り出した言葉よりも、AIの導き出した最善の言葉の方が、人の心を癒すことはあり得る。 小松左京の小説『果しなき流れの果に』にこんな一節がある すでに人間は「冷酷な判断」に倦みつかれていた。—自分たち自身の、長い、残酷極まりない歴史をかえりみて、「エゴイズム」というものが、人間をどんなに無残な集団殺りくにかりたてるかを知った以上、—そして、それが、他人の死に対してどんなに冷酷にさせるかを知った以上、—「公平無私」な判断は、機械にゆだねるほかなかった。あまりにも長い、流血の歴史の直後で、人間は、自己の道徳的判断力に関する自身を喪失していた。それは道徳的堕落というべきだろうか?—むしろ人間は、機械ほど無私にはなれないということを、嫌というほど知った後で、やっと獲得できた知恵ではなかろうか? 「AIに判断を委譲していくこと、それは人類が獲得した「知恵」なのではないか」という問題は小松の小説における重要な問いだった。まさに今この問題が私たちの目の前に存在している。 テクノロジーが便利さを提供してくれる一方で、失われる能力がある。それに無自覚でいるのは、少し危うい気がする。だからこそ、自分にとって必要だと思う能力は、自ら養い続ける姿勢を大切にしたい。 迷う権利、計画的迷走 夜、家の近くをランニングした時に意図的にスマートフォンを持たず、自分の感覚だけを頼りに新しいコースを走ってみた。案の定道に迷って知っている道に戻るのに時間がかかったが、しかし、その「迷う」という体験自体が、自分の中に眠っていた方向感覚を少しずつ呼び覚ましてくれているような気がした。AIが最短で最適な手を考えてくれようが、人間には「迷う」権利とそれを行使する権利がある。

  • リスの便利屋さんで学ぶ会計入門①

    「あれ?どんぐりが足りない!」寒い冬の夕方、リスさんは自分が営む森の便利屋さん「リスクル」の帳簿を眺めながら、ため息をつきました。外では雪がちらちらと降り始めています。 「1月は100どんぐり稼いだけれど、111どんぐり使ってしまって、11どんぐりの赤字。これは大変!早めに対策を考えないと…まずは収入と支出の内容をじっくり見直してみよう」 【収入】全部で100D(D=どんぐり) お手伝いリス派遣 81D お仕事一括請負 18D 余った木の実の販売 1D 「リスクル」の収入源は大きく2つです。雇っているリスさんたちを派遣して、派遣した時間分のお金をもらうリス派遣サービス。そしてもう1つは、道具だったりお家だったり、何かを作って欲しいと依頼されて制作するお仕事一括請負。1月は全部で100どんぐりをお仕事の対価として受け取りました。 それでは続いて支払った方のどんぐりを見てみましょう 【支出】全部で111D お手伝いリスさんへのお礼どんぐり(リスさん自身へのどんぐり含む) 61D 別の森のリスさんへのお礼どんぐり 12D 福祉どんぐり、年金どんぐり、介護どんぐりなど森全体の運営に差し出す用 12D 木のお家の家賃 本社 2D 木のお家の家賃 支社 1D お手伝いリスのお家の家賃 3D リスさんの手押し車 駐車料金 1D 通信伝書鳩代 1D 森の仲間とのご飯代 1D 遠くの森への移動費用 1D 水とか薪などの燃料費 1D 道具代 1D 森の集まりへの参加費 1D 保険どんぐり 1D リースどんぐり 1D 支払い手数料どんぐり 4D その他 7D リスさんは、これらの支出項目のうち、毎月固定で出て行くどんぐりと、月によって変わるどんぐりに分けて分析してみました。 リスさんの考えた改善案 リスさんは、すぐにできそうな改善案と将来に向けた改善案を考えました 【すぐにできる改善①】変動どんぐりを見直す 「なるほど。お店の木の家賃7どんぐりは固定どんぐりだから、すぐには削減できない。でも、伝書鳩代や道具代は変動どんぐり。ここなら工夫次第で節約できそう!」 【すぐにできる改善②】不明瞭な帳簿の付け方を止める…

  • iOSアプリを作成してから公開までに最低限必要な作業

    年末年始に生成AIのツールをいくつか触りましたが、その進歩に驚かされました。ChatGPT、Claudeなどのチャット形式のツールは毎日のように触れていましたが、Bolt、Cursorのcomposer, v0といったツールはプロンプトを渡すと、アプリケーション全体の生成を行ってくれる。すごい時代を生きているものだと思った。 しかし、アプリ作成が簡単になったところで、「じゃあこれをアプリストアに公開しておいて」と言って、やってくれるようにはなっていない。過去にこの作業はiOS, Androidともにやったことがあるが、かなりの手作業が発生するためだと思う。 今年はアプリをじゃんじゃか開発していこうと思っているので、アプリ公開するまでの手順に慣れておかないとと思っていました。時間の見積もりができない作業は、なかなか手を出しにくいという個人的法則があるためです。そのため、2025年時点でどのような手順が必要か、どれくらいめんどくさいのかを、iOSの場合で確認してみました。 検証のために用意したアプリはこんな感じの日記アプリ。 簡単な質問に答えるだけでその日の日記が完成するというもの。あくまでサンプルなので、内容の完成度についてはツッコミなしでお願いします。これはReact Nativeというクロスプラットフォーム開発(1つのソースで複数のOSに対応できる)ができるフレームワークを、さらに効率よく開発させてくれるExpoというツールで作っています。 結論から言うと、これを公開(申請)するまで2時間半かかりました。 事前準備 事前にこれらの設定を済ましてある前提なのでご留意ください。 設定ファイルの準備 React Nativeにはapp.jsonという設定ファイルがあって(flutterで言うpubspec.yaml)このファイルで以下のようなアプリをリリースするのに必要な設定情報を記載しています。 Expoの設定 アプリ公開を効率化してくれるExpoの恩恵を受けるには、ターミナルからeasコマンドを操作する必要があるので、ログインすます。その後にExpo用の設定ファイルをコマンドにて作成。 eas login eas build:configure アイコンの作成 デフォルトのアプリアイコンはシンプルすぎるので、オリジナルのものを作成。最低限守らなければならないルールはサイズが1024px*1024pxであるということ。 自分の場合は画像生成のAI(にじジャーニー)を使用しました。プロンプトと生成結果はこんな感じ。 こだわろうとすれば無限に時間がかけられるが、深追いはせず、破綻しておらず違和感のない画像であればOKという判断基準で選択。Macに入っているKeynoteでピクセル指定した画像が作成できるので、貼り付け→書き出しする。 App Store Connectで新規アプリ作成 ここが一番時間取られた。アプリ名やバンドルIDとやらを設定。 その他やらなきゃいけないことが多い。 これら、不足している情報は設定画面の上部に表示してくれるので1つずつ潰します。 ユーザーのプライバシー情報を収集したり課金要素のあるアプリであればもっと時間を取られるはずです。 そして無事に情報入力が完了したら、最後はビルドしたアプリの提出です。 認証情報、証明書の設定 すごくめんどくさいんですが、Expoを使うと意識せずに乗り切ることができます。以下のコマンドを打って、選択肢から適当なものを選んでいくだけで完了します eas credentials アプリのビルドと提出 eas build —platform ios このコマンドでクラウド上でビルドをしてくれます。バージョンの管理もExpoの管理画面から簡単にできます。そして、App Store Connectへのビルドファイルの提出も、コマンドで実行できます。 eas submit -p ios アップル側でのビルドの受け取りが完了すると、こんなメールが飛んできます。 ここで、App Store Connetの設定画面から、今回のビルドを選択します。その際、アプリの暗号化種類について回答する必要があります。 あとは審査用に提出して待つだけです。 ここまでにかかった時間ですが、23時半から作業を始めて2時に終わったので2時間半ということになります。Expoの恩恵を存分に受けてのこの時間なので、手動で証明書関係の設定やビルドファイルの作成をしていたら、丸一日はかかっていたと思います。 審査…

  • 2024年 気になった投稿

    Twitter(現X)にはいいね、という❤️のボタンがある。 誰かのツイート(現ポスト)に対して同意をしたり、見ていて気持ちがほっこりしたりした時に押すのかもしれないが、私はそういう気持ちで押すことはあまりない。フォローしているアカウントのほとんどが技術系あるいは趣味の水耕栽培系のみのため、自分にとって、「これは情報として価値がある」「後でこの技術を試してみよう」みたいな備忘録として、「後で読む」みたいな気持ちで押している。 ちなみにブックマークという機能があるようだが、使ったことがない。なんというか認めていない。1日100個しか作らない人気のおはぎ職人が「もっと作った方が儲かりませんか?」と聞かれて「俺はこれでいいんだよ!」とキレる頑固さに近い気がしている。昔からこうだから別のやり方があると言われたら過去の自分を否定されたような気持ちになり、意固地を貫いてしまう。 話を戻すが、ではいつそのお気に入りしたツイートをいつ見返しているのか? 特に見返さないから困っている。その問題について考えたい。 大量に投稿をお気に入りをしていることは記憶にあるのだが、それを見返すことができない。日常の隙間時間に見れば良いのだろうが、そうではなく最新のタイムラインを追ってしまう。誰かが真面目に考えたブログに5分時間をかけて読んで学びを深めるよりも、まだ見ぬ刺激的な情報を求めてスワイプをしてしまう。 SNSが巧妙なのか、自分自身が未熟なのかわからないが、何か面白いことが起こっているかもしれない、という気持ちが、そうさせてしまう。私は常々SNSのタイムラインはパチンコに近いと思っている。滅多にしかやってこない当たり(面白い投稿)び演出が脳の報酬系であるドーパミンを刺激し、人はなんとか同じ刺激を得ようと同じ行動を何度でも繰り返す。 お気に入りポストの存在を自覚しつつ、最新のタイムラインをスワイプし続けている時の自分の感情は、積読本だらけの本棚を見た時の罪悪感に近い。自分の情けなさを感じる瞬間だ。しかし私は弱い人間なのでそんなことはすぐに忘れる。本棚の例えで言うならば、物理的な本は、視覚的に日常の中に入ってくるので、手に取って読んでみる、思い切って処分するなどの対策が取れるが、デジタルのお気に入りデータは無限に保存し、しかも目につかない場所に置いておけてしまう。 私のお気に入りポストのデータが日の目をみることなくX社のDBサーバーにこんな感じで保存されているのかと思うと、なんだか悲しくなってくる テーブル名:Table_User_Favorites X_id post add_fav_time atodemita? Mutsumix 英語でよく使うフレーズ30選 2024-12-30 false Mutsumix 決算書読むにはこの本が最適! 2024-12-29 false Mutsumix コンサル1年目がまず教えられること 2024-12-29 false 私がX社のエンジニアだったらポストにお気に入りはするが決して見返さないユーザーは滞在時間が長く、カモとして最適なので、広告やフォローした覚えのないイーロンマスクのポストでタイムラインを埋め尽くすだろう。 こんな感じで、いざ時間ができた時に見返そうかなと考えたりもするが、自分自身の恥部を見せつけられているようで、できない。辛い。 しかし今は2024年12月30日。年末休みにたまたま早起きできたので、今年に絞って、できるだけ振り返ったり読んだりしたいと思った次第である。さようなら過去の未熟な自分。 散らかるのと、読み込み速度を抑えるために、埋め込みは控えめで 1月 今年最初のお気に入り 無印のフォントはゴシックMB101 書籍:ストーリーで学ぶ管理会計入門 DBのインデックスについてめちゃくちゃみやすい資料。 西谷圭介さんのレバテックの連載 ニュースサイトはおもに、はてなブックマークのテクノロジーカテゴリとTechFeedを見ています。あとは海外のサービスになるのですが、daily.devでキュレーションされた情報をChromeの新規タブを開く際に表示するようにしています。daily.devについては、どなたかがPodcastか何かで紹介していたのを聞いて使い始めました。 React NativeでナビゲーションはExpo Routerはありになってるっぽい Vimについて 2月 面白そうなボドゲ SoftEtherの登 大遊氏が語る、「日本のITエンジニアに迫る危機」とは 会社はBSからスタートする 厳しいって ミニPC ORACLE MASTERの資格が気になる 君たちは全然Gitを使いこなせていない しずかなインターネットの技術構成 損益分岐点についての本 3月 LayerXの福島良典さんのポスト…

  • 付箋勉強法

    本を読んでいて共感したところ、感銘を受けたところに付箋を貼る。一冊読み終えた時に貼られているエリア、貼られていないエリアがある。私は付箋が貼られていないところこそ重要だと思っている。 なぜなら共感したところなんて、すでに自分の頭に同じアイディアがあってそれをパラフレーズしただけで新たな気づきなんてものはない。そもそも書名で気になって本を買った時点でその本から学べるものなんてほぼない。「●●したけりゃXXしなさい」系の本のことがその典型である。買った時点ですでに便益を受け終えていて、読了後に考えが深まることなんてまずない。いや、極論すぎか!謝ります。あ~い とぅいまて~~~~~~~~ん。 SNSで流れてくる投稿にいいねをつけて頭が良くなるのか、ってことと似ている。そんなことに数を打って量を増やしても、エコーチェンバー、フィルターバブルで実はバカになっていることもあり得る。 だから付箋を貼らないところ。一度読んで理解ができなかったところ、読み飛ばしてしまったところにこそ、自分の知らなかったアイディア、思想、論理展開が含まれている。そこを時間をかけてでも咀嚼することで人間は考えを深められるのだと思う。

  • 夜に期待するのをやめた

    夜にまとまった時間があれば、なんらかのインプット/アウトプットのタスクを片付けることができるという期待は、しばしば、いやほぼ全て失敗に終わってきた。夜という自由な時間は、むしろ私の思考を緩慢にさせ、無為なネットサーフィンを許し、何もできなかったという挫折感とともに就寝を迎えさせた。 その結果の睡眠不足は、単に翌日のパフォーマンスを下げるだけでなく、焦燥感やイライラの原因となり、生活の質を確実に低下させてきた。 帰宅後は入浴、食事、睡眠と割り切り、翌朝早起きしてタスクを次々と片付ける方が、遥かに生産性が高く、人生の目標に近づける。睡眠前は翌日やるべきことを淡々と整理するのみ。 夜は悪魔が支配する時間、といった人がいる。ようやくその意味に気がついた。

  • なぜ私は財務諸表を読みたくないのか

    財務諸表を読む必要があるのはわかっている 近々会社を経営する予定がある。なぜそういうことになったのか?は別の機会に触れるとして、会社を経営するにあたって大切なことは会社を倒産させないことだと思う。 医者であれば患者を検査し、その結果の数値から治療法を提案し必要な処方箋を書くのと同じで、会社を倒産させないためには、会社についての数字を理解できる必要があり、会社の数字が記された財務諸表を読んで次の一手を考えられることが重要だと思う。 ここでいう財務諸表とは次のようなものを考えている、というこれ以外に知らない 会社ではMoneyForwardというサービスを使っているので、これらを月次で見ることはできる。しかし、それを見ても、それが何を意味しているのかがわからないのが現状である。 わからないのであればわかるようになるまで勉強すればいいと思う。これまでエンジニアとしてわからないことがあれば、検索したり書籍を当たったり勉強会に参加するなどして、それを理解するようにしてきた。しかし、財務諸表を読むことについては、そういったことができず後回しにしてきた。理由を考えることもせず遠ざけてきた、と言う言い方が正しいと思う。 そこで、この記事では、財務諸表を読むことについて、自分がどうして嫌なのかを自己分析していく。そうすれば、1つ1つの理由に対する処方箋を考えることができて、これまでの状態よりも一歩前進できるのではないかと思っている。 理由 1: 時間の見積もりが難しい どのくらい時間をかけて学べば良いのか分からず、一歩目を踏み出せない。 これまで新しいことを学ぶにしても、プログラミングについては、ある程度の時間をかければ、それなりに理解できることがわかっている。しかし、財務諸表については、そういったことができない。足場が全くないのに、突如高い壁が立ちはだかっているようなで、その壁の前に立ちすくんでいる感覚。 理由 2: 自社の数字が面白くないと感じる たとえば自分が経営する会社が利益がガバチョガバチョだったら、それをどのように使おうかと考えることができて、楽しい気持ちになると思う。しかし、社員30人程度の中小企業は常に資金繰りとの戦いであり、弊社として例外ではない。トントンの状態から、次の一手を打つための採用経費や新規事業開発のための投資などをどうするかを考えることが多い。そうなってくると、楽しいというよりは、なんとかして売り上げを増やさないと、という意識が先立って、分析することが苦痛になってしまう(気がしている) 理由 3: 無知と向き合うことの難しさ これは自分の幼さが原因かもしれないが、全く知らない分野の勉強をすると、自分の無知を痛感し、モチベーションが下がってしまう。 実はすでに、複式簿記やらバランスシートについての読み方について、何冊か本を読んでいる。読んだその時は「…なるほど…!?」と思うが、あまり腑に落ちることなく書かれていることが身に付かず、時間が経つと綺麗さっぱり忘れてしまう。そんなことがあり、自分は財務諸表を読む能力がないんじゃないか、という気持ちすら抱いている。 思いつく限り書いたが、こんなところだと思う。 原因がわかったところで、次に何をすればそれぞれの問題が改善されるか、検討をしてみる。 処方箋 1: 小さな目標を設定して、学習を習慣化する 財務諸表のすべてを一度に理解する必要はなく、小さなステップを積み重ねていくことが良い。例えば1 日 30 分の学習時間を設定し、短期間で成果が出るような区切りをつける。 処方箋 2: 他社を題材にする 実際の自社の財務諸表を読むのが苦痛であれば、他社の数字を勉強の素材にする。利益が潤沢な大企業や、自分が憧れる企業の財務諸表を調べてみると面白さを感じやすいし競合分析にもつながる。インターネット上には公開されている上場企業の財務諸表が多数あるため、そこから興味のある企業を選ぶと良いので素材は潤沢にある。理解が進んでから自社の財務諸表を見直せば、「こういう形で改善できるのでは?」という発想が生まれやすくなる。クイズを作ってみると楽しいかもしれない。 処方箋 3: 「わかる」実感を積み重ねる工夫 読んだことが腑に落ちないのは、具体例や実践が不足しているからかもしれない。そのためには小さなシミュレーションを通じて学ぶと良いかもしれない。 たとえば、自分の家計を複式簿記で記録し、簡単なバランスシートを作る練習をしてみる。「少しでもわかること」を日々の成果として実感するため、定期的に進捗を記録し、自分ができることを確認する。 処方箋 4:財務諸表を読むことへの前向きな考えを持つ 財務分析にプログラミングのようなクリエイティブさがないと思っていたことが、学ぶのが億劫な原因でもあったが、売上をどんな新事業に挑戦するために使うかを考えることは、クリエイティブな活動だと思う。 また、「財務諸表を読むことができるようになった自分は何を得ているか」と言う良いイメージを想像してみる。 財務諸表が読めるということは会社経営の「羅針盤」を手に入れた感覚を持つことだと思う。つまり数字を読み解けることで、何をすべきかがきっとクリアになる。反対に数字の根拠なく勘で経営方針を考えても、再現性や効率の観点から考えて、無意味。 まとめ 財務諸表を読むことは、単なるスキルの習得に留まらず、会社経営を支える基盤となる重要な知識だ。会社方針を考え、伝えることが経営者の役目の1つだが、数字が背景にあれば、言葉に説得力が増す。興味を持てない理由を理解し、それを克服するための対策を 1 つずつ実践することで、必ず道が開けると信じて進んでいきたい。 この投稿をきっかけに、一歩一歩前進していこうと思う。

  • 技術書典17 参加記録

    技術書典を知ったきっかけ 1年半前(技術書典14)にサンシャインに立ち寄ったらやってたのがきっかけ。アプリの仕組みやサークルの配置、人の動線に至るまでよく考えられたイベントだな、技術書版コミケのようなイベントがあるんだ、と思いました。 自分で一冊書くのは無理でも、会社の人と一緒にいつか合本を作れたら楽しいだろうなー、でも執筆に興味ある人いないだろうなー、会社のブログ書いてるのも自分だけだしなー、とぼんやり思っていました。 私はエンジニアになる前は出版社で営業をやっていたので紙の書籍については少し思い入れがあります。(「あそこだけはやめろ」と言われるような業界でも有名なブラックな語学系出版社で心身ともに疲弊して辞めて今のIT系の仕事に流れ着いた過去があるのでいまだに乗っている電車が飯田橋駅を通過するたびに体がこわばります。当時フリーター職歴なしだった自分を採用してくれた間口の広さには一応感謝しています) 申し込み 9/2にツイッターを眺めていたら、もうすぐ技術書典の申し込み締め切りというアナウンスと「申し込みました!」というツイートが連続して流れてきて、そうか誰でも申し込んでいいのか、それならと記念受験のつもりで申し込みボタンをポチりました。ただ申し込み時に何についての本を書くかをあらかじめ書かなくてはいけません。そこで飽きっぽい自分が毎日取り組んでいた水耕栽培について書くことにしました。園芸ネタだけでは弱いと考えて、ちょうどラズパイを使った温湿度などのモニタリングをしていたので、そこを押し出せば、悪くないかもと考えながら申し込みフォームを埋めました。 締切20分前の23:40分に申し込み完了。 当選通知 1週間後の9/8に当選通知がきました。嬉しい気持ち半分と果たして自分に本が書けるのかという不安半分がありました。 私は仕事を掛け持ちしていて忙しいので1週間のうちこの時間なら確実に空いている、というのはなく偶然生まれた時間に書き上げるしかありません。 フワちゃんのスタイリストとジャンポケ専属のロケバスの運転手をしている関係でなかなか執筆の時間がとれませんでしたが、奇跡的に仕事に空きができたので、一気に書き上げていきました。 しょうもない冗談はさておき、この期間で一番きつかったのは、誰か知らない人の入稿しましたツイートを目にすることでした。例えばこんな感じのです。 11/3がオフラインイベントなのに、10/11時点で表紙こみで書き上げてる。今時の若者優秀すぎる。恐怖… それでもなんとか書き上げることができたのは、以下のことを最初にやっておいたことが功を奏したからだと思います。 中でも早いうちにRe:VIEWという素晴らしい組版ツールに出会えたことは振り返っても良かったと思います。書籍の本文のデザインはAdobeのInDesignを使用するのが当然で、Wordやフリーソフトだとどうしてもチープな感じが出たり痒いところに手が届かないものという認識でしたが、商業出版にも耐えられるレベルで入稿データを作成できるのは驚きでした。 また、VSCodeではなく、AIコードエディタのCursorで書いたことによって多くのメリットも享受できました。これについては改めて別の機会に紹介したいのですが、次のようなメリットがありました。 本文執筆完了 大体書き上げた後は、校正作業です。いくら気をつけて書いたとしても、おかしな表現や誤字脱字は発生します。別の形式で出力して読むことで、おかしなところ気づきやすくなります。 これは便利だと思った校正の方法があるので、ついでに紹介したいと思います。 2. 出力したPDFをAirDropを使ってiPadに転送 3. iPad側でGoodnotesというノートアプリに読み込ませる ページごとに出力されるので、気になった箇所をどんどんチェックする 以上です。iPad miniくらいのサイズがねころびながら出来て最高でした。 文章以外で苦労した点といえば、水耕栽培装置の図解をする都合上、大量のイラストを作成しないといけなかったのですが、祝日を丸一日使ってパワーポイントで作成しました。私はパワポをイラレ、Canva、Figmaに並ぶデザインツールと捉えています。 写真などは、新規で撮影したものもありましたが、過去にTwitter(現X)にあげているものをかなり流用しました。こまめに状況をつぶやくことが、後々思いがけない形で自分自身を救うことになるので、今後もちまちま発信続けていこうと思いました。 最後にRe:VIEWに組み込まれている校正支援ツールprhで文章表現を整えて本文データは完成。 表紙作成 日光企画は表紙データをPhotoshopで受け付けているのですが、操作がわからなさすぎて、パワポで表紙作成→PDF出力→フォトショに貼り付けという荒技で乗り切りました。Photoshopはサブスクで1ヶ月だけ契約しました。必要経費とはいえまあまあ高い。 宣伝 届ける工夫をなぜか1年前の技術書典で購入していてその時は実はしっかり目を通していなかったのですが、再度読み返しました。 自著を何度も宣伝する行為ってあざといな〜という印象を持っていたのですが、「販売部数という数字を積極的に追い求めると拝金主義に感じてしまうので、謙虚さゆえに控えめに宣伝する人がいる、しかしその情報を必要としている人に届けたいという気持ちにネガティブな要素はあるのか?」的な文章を目にして考え方が変わりました。 そして毎日こまめに「届ける工夫」に書いている通りのやり方を実践しました。 すると 本当にフォローが増えたりいいねのリアクションが増えていくのを実感し伝えたい人にじわじわと伝わっていくのを体感しました。実際にTwitter見て買いに来ましたって人もいて良いことづくめでした。「届ける工夫」、まじ名著。 何より技術書典ジャストミートの内容なので、本を執筆中の時点での告知の仕方についても書いてくれていて、今後も技術書典の度に読み返すことになりそうです。 入稿 何が普通かわからなかったので、各方面でおすすめされていたバックアップ印刷所なる日光企画でデータ入稿しました。ページ数ごとに値段が違うので、見積もり作成がギリギリまでできず、なかなか入稿作業に手をつけられなかったので不安が大きかったです。本文データはRe:VIEWの技術書典レポジトリを使用したので不安は少なかったのですが、表紙データは指定のフォーマットでフォトショを使って入稿しないといけないので、不安大でした(背表紙の計算にひとスキル要求されます)。 入稿後、日光企画の人から電話があり、「ダメダメだったので直していいですか?」(要約)と伝えられ、秒でオネシャスと言いました。これまでプリントパックやラクスルを使用した入稿は経験があったのですが、同人誌印刷は今後も日光企画を使っていこうと心に決めています。 前日 ちょうど雨で外に出かけられなかったのもあって設営のリハーサル。初めて遠足に行く小学生みたいな気分でした。 設営についても「届ける工夫」に載っていたテクニックを全面的に参考にしました。 当日 自分でも馬鹿かと思いますが、興奮しすぎて2時半に起きました。 それまで自分のことで精一杯で、近くにどんなサークルがいるのか知らなかったので、技術書典季報を購入しました。他のサークルの書籍を物色し、時間があったら買いに行きたい本をリストアップしていました。すっごい楽しかったです。 自宅が会場であるサンシャインまで15分ほどという地の利を活かし、出展者の入場時刻である9時半ギリギリまで自宅のソファで期待に胸を膨らませ続ける幸せな時間を過ごしていました。 当日の出来事はちゃんと書くと長くなりそうなので箇条書きにします。 まとめ 出品サークルを支えるをいろんなありがたい仕組みがあるおかげで、初参加にもかかわらず本来頭を使うべきこと(執筆、宣伝、コミュニケーション)にしっかり向き合えた素晴らしいイベントでした。自分の経験を書籍にしたことで、知識が補強され、知りたいことも広がり、交友関係も広がりました。当然また参加したいです。 歳をとると初めての経験っていうのがどんどん少なくなるんですが、苦労した結果得られたものはとても多かったので、新しいことに挑戦する気持ちが芽生えてきます。 興味はあるけど自分とは違う世界の話だと思っていたこと、例えば社外のLTでの登壇(は来月する予定)、メンターサービスの活用、OSS活動、ISUCONへの参加、ポッドキャスト、海外での仕事など色々と始めていきたいです、終わり。 以下、思い出の写真を貼ります。

  • モバイルプリンターを使ったアプリアイディア10選

    スター精密社製 SM-S210iを使い倒す! 本記事はReact Native アドベントカレンダー 2023の 17 日目の記事です。